大野写真研究室　ohno photograph laboratory

昨日一枚のFaxが届きました。
「コダック社製フィルムの値上げについてのお知らせ」
今回の値上げ状況も非常に厳しくフィルムの値段がどんどん上がっていきます。
「またか。」
なんて正直怒りにも似た感情を覚えました。

でもね・・・
今の現状を考えてみれば仕方のない話なんだと思います。
もともと写真というものはフィルムを使わなければ作れなかったものでした。
世界中の人々が当たり前のようにフィルムを使ってシャッターをきり
写真を残す。
世界中どこに行ってもフィルムが売られていたものです。
今ではいろいろなお店を探さなければフィルムを買えない時代となりました。
そう考えれば生産コストが上がるのも当たり前の話だし
値上がりも仕方のないことなのかなと・・・

そんなことを思うと・・・
考えなくてはならないのはこれから先の事。
僕はフィルムで残す写真が大好きです。
フィルムがなくなってしまっては困ります。
そんな思いを持っている人はたくさんいるのではないかと思います。
そして、フィルムを知らない若い人たちにとっても
フィルムで残す写真は未知の世界。
そんな世代の人たちにフィルムを選択肢の一つとして考えて
もらえるように我々がいろいろなことをしていかなくてはいけないと
思うのです。
だからと言って特別なことをする必要はないんだと思います。
ただ一枚一枚を大切に愛おしく残して欲しい。
この感情はデジタルよりも強く感じるはずです。
そして、そんなことを考えて出来た写真を形として残して
いろいろな人に見せて欲しい。
そして、一枚の写真から生まれる会話を大切にして欲しい。
そんな会話が生まれる写真を家のいたるところにおいて欲しいのです。
ふとした時に出てきた写真から楽しい会話が生まれていく。
写真が持っている大切な役割なんだと思います。

この世界からフィルムを無くさないために・・・
皆さんに少し考えていただきたい事なんです。